11月24日、アゼルバイジャンのバクーで開催されたCOP29は、気候変動対策のために約46兆円の支援を合意し、閉幕しました。今回のCOP29では、支援に関する先進国と途上国の対立が多く報道されましたが、一方で水資源の問題が気候変動対策の中心的な議題として取り上げられました。
水は地球の生命線であり、淡水生態系は二酸化炭素の吸収や気候災害への耐性強化に重要な役割を果たしています。しかし、気候変動の影響で水の供給が不安定になり、多くの地域で水不足や水質汚染が深刻化しています。大会最終日には、約50ヵ国が「気候行動のための水バクー宣言」に署名し、気候変動が水資源に与える影響に対処するための統合的なアプローチを取ることを約束しました。この宣言は、パリ協定の国別削減目標(NDC)や国家適応計画(NAP)に水関連災害に対する耐性や災害からの復旧対策についての適応措置を統合することを求めています。また、WWF、Water.org、Water Equity、ストックホルム国際水研究所、イスラム開発銀行などもこの宣言への支持を表明しています。
「気候行動のための水バクー宣言」は、各国が淡水生態系を気候変動の影響から守るための具体的な行動を求めており、パリ協定の目標達成や持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた重要なステップとなります。本宣言に対する日本政府の支持と具体的な行動計画がどのように進展するのか、今後も注目したいと思います。
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