今年2023年は、2015年9月の国連サミットで採択された2030年までの達成を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」の折り返し時点であるが、国連のレポートによれば計画に対する遅れは顕著であり目標達成が危機的な状況である。
図は国連の「The Sustainable Development Goals Report 2023: Special edition」 より引用したものである。半円グラフはSDGs全体の進捗状況を表す図で、緑が順調に進捗、橙色は計画からの遅れ、赤は進捗無しあるいは後退を示す。計画通り進捗しているのは全体の15%だけであることがわかる。同じく横棒グラフは17の開発目標それぞれの進捗を示す。緑、橙色、赤は半円グラフと同じ、灰色は判断するためのデータが不足していることを示す。清潔な水や衛生手段に誰もがアクセスできるようにする、というG6の達成状況も大幅に遅れていることがわかる。
9月18日付のロイターは、次のように伝えている。
「ニューヨークの国連本部で18日、2030年までの達成を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」に関するサミットが開かれた。参加した各国首脳らは、飢餓や貧困の撲滅、気候変動対策などを掲げた目標の達成に向けて早急に行動しなければ、世界は危機に直面すると警鐘を鳴らした。
SDGsは15年に採択され、水・エネルギー分野やジェンダー平等なども含む17の目標を掲げる。
今回の会合で採択された宣言は「SDGs達成は危機的状況にある」とし、「大半の目標の進展があまりに遅すぎるか、もしくは15年の基準より後退している」と危機感を示した。
国連のグテレス事務総長は、達成に向けて順調に進展している目標はわずか15%にとどまり、多くは逆行していると述べた。今月、20カ国・地域(G20)首脳らにSDGsを達成するため少なくとも年間5000億ドルを投じるよう求め、今すぐ行動を起こすよう訴えた。